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TFCC損傷

TFCC損傷(三角繊維軟骨複合体損傷)とは

TFCCとはTriangular Fibrocartilage Complexの略で、手関節小指側の『三角線維軟骨複合体』です。靭帯と腱鞘・関節円板で形成され、手首への衝撃を和らげるクッションと運動をスムーズにする役割を担っています。テニスやゴルフなど手首を多く使うスポーツや手を着いた際に負傷します。運動時の痛みが長期化することも多く、適切に治療する必要があります。

原因

オーバーユース

テニスやゴルフ、野球のバッティングなど手首への繰り返しかかる負荷によってTFCCの損傷を引き起こします。特に手首の背屈や尺屈、回旋によって繊維製の軟骨に圧迫力と牽引力が発生し炎症性の疼痛を引き起こします。

外傷性の損傷

転倒時に手を着いたり、手首に強い衝撃がかかったり、過度に捻ってしまいTFCCを損傷します。

症状

手関節の小指側に起こる運動時の痛みが主症状です。蛇口をひねる、ドアノブを回す、タオルを絞る、など手首をひねる動作を行った時に痛みが発生します。TFCC損傷は一般的なレントゲン検査では写りにくいため、確定診断には磁気共鳴画像診断装置(MRI)や関節造影検査、関節鏡検査などが必要です。

小指側の痛み
曲げたり捻ると痛い
シェイクハンドTEST

治療法

症状が軽度であれば、運動強度を調整しながら治療を行っていきます!

TFCC損傷は基本的に保存療法であり、運動中止・制限しながら、手関節周囲の筋緊張の緩和・ストレッチ患部に対しての物理療法などで炎症と疼痛を軽減させていきます。

同時にリハビリを行い手首の筋力強化、安定性・柔軟性向上などを目標に再発しないような身体づくりを目指していきます。

また、ウォーミングアップやクールダウンなど日常生活でできるセルフケアも重要になってきます。

徒手療法・罨法

前腕の筋緊張の除去を目的にスポーツマッサージや疼痛緩和・炎症抑制を目的とした罨法を施行します。運動後のケアも大切になるため、運動頻度や強度・ピーキングなど選手に合わせた治療を行います。

  • 上肢スポーツマッサージ
  • 手関節モビライゼーション・マニュピレーション
  • 冷罨法(アイシング・クライオキネティック)
  • アスレティックリハビリテーション
  • コレクティブエクササイズ
前腕のストレッチ
手関節モビライゼーション
前腕のスポーツマッサージ
物理療法・固定法

患部の治癒促進を促す超音波・電気療法、患部の炎症を抑えるクライオキネティックなどを行います。さらに疼痛や炎症を抑えるためには包帯・副子・テーピングなどの固定が重要です。

  • 超音波治療
  • テーピング
  • 干渉波・ハイボルテージ
  • 微弱電流波
  • EMS
超音波療法
包帯固定
副子固定
前腕テーピング
鍼灸療法

鍼灸治療では前腕部の筋緊張の緩和と血流改善・局所の鎮痛を目的に行います。特に疼痛の強い場合には関節部に鍼通電療法(パルス療法)や点灸(知熱灸)を行うことで鎮痛効果が期待できます。

患部の点灸
前腕の温灸
患部の鍼
パルス療法